
マルディグラというプライドパレードに行ってきました。
マルディグラとは2週間ほどシドニーで開催される世界最大規模のプライドパレードです。
歴史
1978年に迫害を受けていたレズビアンとゲイの方々が始めたデモ行進が始まりだそう。
その頃は警察との衝突もあったそうですが、今では警察の方もパレードに参加してサポートの姿勢を見せています。
感想
正直最初の方は人が多過ぎて、パレードに全く興味ないであろうパリピが飲んで騒いでパーティするためにパレードが利用されてるような感じがして、当事者としてはかなり複雑な気分でした。
人混みすぎて全くパレードが見られないままとにかく人混みに押されながらなんとか混雑してなくてパレードが見られる場所まで移動。
そこら中に酔っ払ってる人が座ってたり、人混みに押しつぶされて窒息するんじゃないかと思ったり、ゴミが街中に散乱してて、毎年パレード期間中は毎週末パレードが開催されるらしいから毎週こんなにゴミだらけになって交通規制もあったらLGBTが嫌われる原因になるんじゃないかと思った。
差別されないようにマナー守ったり行動に気をつけたりしないといけないのはあまり好きじゃないんだけど、でもそういうふうに思われても仕方ないよな。
そんなことをもんもんと考えながらやっと落ち着いてパレードが見られる場所へ到着。
そのあとはすごく楽しめました。
企業、消防団、警察、大学などいろいろな団体がプラカードをもってパフォーマンスをしながら歩いていました。
特にお気に入りだったのは海にいるレスキューの人たちのグループ。
すごい人数のマッチョが水着でパフォーマンスをしていてボスみたいな人が指揮をとってました。
そのボスがLGBTなのかアライ(LGBTの人を理解し支援する人)なのかわからないけど、上司がそんなふうに生き生きとパレードに参加していたら職場でマイノリティの人はとても安全に感じるだろうな。
1番感動したのは、同性愛者だとバレると死刑になる国の人たちがパレードで歩いていたこと。
観客も大きな拍手で称えていて他のグループとは雰囲気が違いました。
人権のために母国に帰れば死刑になるリスクを犯してプライドパレードに参加すると決め、実行する勇気に感動しました。
マルディグラがおそらく日本のプライドパレードと1番違うんだろうなと思ったのは、パレードで歩いている人、観客を合わせるとものすごい人々だったこと。全員が当事者なはずはなく、誰が当事者で誰がアライか全く分からなかった。
その環境はものすごく心地いいと感じました。
少なくともパレードに歓声を上げている人、参加している人は理解者であり寛容な人々なんだと思うとすごく安心感がありました。
日本だとプライドパレードの参加者は当事者の割合が多いんじゃないかなぁと推測しています。
参加すると当事者だと思われるんじゃないかとか、職場や親、友人にカミングアウトしてない人はそういう不安があって参加しづらいと思います。少なくとも自分はそういう不安があって日本のパレードは見たことがないです。
特にマルディグラ期間はシドニーの街にたくさんのレインボーの旗やマークが掲げられます。
街全体でLGBTQに対する理解や支援をしようとしてくれていました。
そういう背景もあってか、今のオーストラリアの職場でも上司やお客さんも普通にゲイやジェンダーフルイドだとカミングアウトしてくれます。もはや自然すぎてカミングアウトという言葉が大袈裟に聞こえるくらいに。
特に職場で何もプライベートなことを隠さなくていいというのはものすごく心地いいです。
日本もいつかこんなふうになりますように。
コメント