読む前
海外生活が2年目に入り、帰国後どうしようか、オーストラリアでの仕事が急になくなったらどうしようか、貯金が底をついたらどうしようか、31になるのにこんなに社会のレールから外れた人生でこのまま転落してしまわないだろうか、という不安があった。
気付き
・成功=幸福ではないし、不成功=不幸でもない
・今日のことだけ考えて生きる。明日のことは明日考える。
・過去を後悔せず、未来に不安にならないように。
・全ての悩みは対人関係の中にあるが、幸せも対人関係の中にある。
・幸福になるためには他者に貢献できているか振り返りながら今日できることを懸命にやって今日を過ごすこと。
心に刺さった部分
本書の中の精神科の診療所のエピソードで、60人くらい患者さんがいてカレーを作るという行事があったそう。その中で準備を手伝ったのは20人程だった。それでも誰も手伝わなかった40人を責めなかったという話。
その理由は、今日自分は調子がいいから手伝えます。でもいつ調子が悪くなるかわからないから、調子の悪い時はお願いしますね、ということらしい。
体育会系で育ってきた自分は、手伝わない40人のことをあり得ないと思って怒りが湧いてしまうだろうと思った。
誰かが何か仕事をしていたら手伝うのが普通、手伝わないのは悪というくらいの職場環境で働いてきたし、サボってる人は評価されず価値がない人間だというメッセージを上司から受け取りながら働いてきた。
(いつもいつも同じ人だけが仕事して他の人が楽をしているのは違う話だと思うけど、ただいつも頑張ってる人も、いつ休んでもいいんだよね。いつも働いてしまう人が、働かないと価値がないという観念を持っているのかもしれない。)
いつ自分が病気や怪我で動けなくなるか分からない。もしそうなった時、手伝わない人には価値がないという考えが自分の首を絞めてしまうだろう。
そういう考えが社会をより厳しくし、自分自身にもプレッシャーとストレスをかけて怒りを生んでいるのかも。
海外で働いてみて思うのは日本はこの考えがすごく強いということ。
自分ももっと休んでいいからハードワーカーじゃない人を責めない、というスタンスをとった方が自分にも、社会にもやさしいかもしれない。
To do
・成功と幸福は別の概念。分けて考えよう。成功を目指すのもOK、でも幸福であることをベースに自分にも人にもやさしく頑張ろう。
・ガチガチの人生設計はしない。明日のことは明日考える。
・幸福になるために対人関係に踏み込む
・自分のやれることで他者に貢献する。笑顔あげる、挨拶してみる、質問して話きく、トレーニング教えるとかそんなことでいい。SNS発信でも誰かの役に立つかも。
・成功せずとも幸福にはなれる。固定観念を手放し、今持っているものに感謝する
引用
成功と幸福を、不成功と不幸を同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何であるかを理解し得なくなった。
幸福は各自においてオリジナルなもので、質的なものです。他方、成功は一般的なもの、量的なものです。
まだ起きていないことについては心配しないことです。明日のことですら、明日になってみないとわかりません。それなら、明日のことは明日になって考えればいいので、今日は今日のことだけを考えて生きればいいのです。
ただ、一つ確実にいえることは、幸福になるために、いわゆる挫折体験は絶対に必要です。生きていく上で感じる苦しみや挫折感は、鳥が空を飛ぶために必要な空気抵抗のようなものです。
他方、生きる喜びや幸福は対人関係の中でこそ、得ることができるのです。皆さんは、最近、生きていてよかったと感じることはありますか。生きる喜びも、幸福であるという感覚も対人関係の中でしか得ることができません。
人間の価値を生産性で見ている。何ができるかできないかということで測る社会です。私が働いていた診療所は、いわば健全な社会の縮図でした。なぜ彼らがその日手伝わなかった人を責めないかというと、今日は元気だから手伝えたけれど、もしも、明日元気がなくて手伝えなくても許してねというのが暗黙の了解なのです。
人間がもしも、今日という日を今日という日のためだけに使えたら幸福になれます。でも、過去を思って後悔し、未来を思って不安になる。その両方を手放すことが、これからの人生を生きていく上で大事なことだと思います。
そうやって今日という日を今日という日のためだけに全力を尽くして生きていけば、いろいろなことが変わってくると思います。
他者に自分がいかに貢献できているかということを絶えず振り返りながら、今日できることをしっかりとやっていく
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